低線量で長時間の方がダメージが大きいというペトカウ効果を満足するモデルの考察

液体中の細胞は、高線量の放射線を短時間照射するよりも、低線量の放射線を長時間放射する方が、細胞へのダメージが大きい、というのを、ペトカウ効果と言うそうです。


普通に考えれば、ダメージと放射線のエネルギーは比例関係となって、高線量の方がダメージが大きいと思えます。
ですが、それとは異なる結果が出るようです。


それについての考察してみました。


この実験での高線量の放射線と、低線量の放射線の違いは、照射する時間の長さ、です。
ここがキーになりそうです。
それと、放射線は粒子が飛んでいるという事を考えると、高線量の放射線は多数の粒子が飛んでいる、低線量は少ない粒子が飛んでいる、という事になると思います。


細胞にダメージを与えるポイントがあって、そこに粒子が当たると、ダメージが発生する、というモデルで考えると、多数の粒子を飛ばす高線量の方が、効果的にダメージを与えそうです。


という事は、「細胞にダメージを与えるポイントがある」という条件だけではダメで、他にも何か条件が必要と分かります。
そこで、「細胞にダメージを与えるポイントには、モードがあり、ダメージ休止モードの時は粒子を受けても影響しない。ダメージ活動モードの時に粒子を受けるとダメージが発生する」というように考えてみます。


休止モードの時はダメージポイントの扉が閉じていて、活動モードの時は扉が開いているというイメージです。
このモードは交互に切り替わるものとして、その間隔は、休止モードの方が長く、活動モードの方は短い、としてみます。


そうすると、高線量の放射線は、活動モードとタイミングが合わない可能性が高くなり、ダメージを与え難くなります。
逆に、低線量の放射線は、長時間照射するため、モード変化を数回以上経過して、かなりの確率でダメージを与えられると考えられます。


低線量は、扉が閉じている時も開いている時も粒子が飛んでいるイメージですからね。
ちょうど、コンピュータ間の通信で、ゲートが開いていない時にいくら送信しても意味がない、あるいは、クリティカルセッションに引っかかると、バグる、というマルチスレッドのバグのイメージとも重なります。


おそらく、内部被爆は低線量長時間となると思います。
また、細胞もいつも同じ活動をしている訳ではありません。
細胞分裂期が放射線のダメージを受けやすいと言われています。
もしかすると、細胞内部の活動時期などもそうかもしれません。


まあ、あくまで思考実験的な考察です。
ペトカウ効果が、活性酸素の生成とい仮説もありますね。


補足)
ペトカウ効果と内部被爆との関連を疑問視する記述を見ると、低線量というが、現実社会としてははかなりの高線量、ということで関係ないよ、という指摘になっているようです。
ただ、放射線の影響は線元からの距離の自乗に反比例します。
実際、地面から1mで放射線量を計測するのと、地面近くで計測するのでは、値がかなり変わります。
とすると、体の中にある場合は、そうとう高い線量となると考えられます。
このあたりを含めてのペトカウ効果の考察を知りたい所です。